これは1904年の作のようですね。
1904年といえば、ペレアスとメリザンドの初演を終えて、それまでの印象主義風な音楽から、一転キラキラと明るい光に満ちた交響的素描「海」を発表間近くらいでしょうか。
エンマ・バルダックとめでたく?結ばれて充実したころだったのではないでしょうか?
私は、実はこれが初めて聞いたのですが、映像第一集の2曲目「ラモー礼賛」を思わせる瞑想的な雰囲気と思いました。
しかし、ラモー礼賛の悲劇的な雰囲気に比べると、よりSensuelで静的な音楽です。
瞑想的でありながら官能性に満ちている。これがドビュッシーの音楽の魅力ではないでしょうか?
Sensuelといっても19世紀風に甘くロマンチックな音楽ではなく、どこか東洋的で静的な香りが漂っています。
もう一つご紹介したいのは、ドビュッシー晩年の舞台作品である「聖セバスチャンの殉教」の前奏曲から法悦の踊りまでをピアノにアレンジしたものの演奏です。
青柳いずみこさんという方は、ピアニストですがドビュッシーの研究家としての第一人者でもあります。
演奏を聴いた最初の音から、この方のドビュッシーの音楽への深い洞察と愛着を感じました。