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これはドビュッシー最晩年のピアノ曲集、練習曲集の中の6度のため、という曲です。
これも、下手ながらとつとつと弾いて秋の夜長を楽しむのに良い作品ですね。
6度という音程が、このような貴族的な雰囲気を醸し出すものか!という発見でした。
3度とその転回形の6度は、和音の唸りが微妙に出るところが、ピアノ音楽の醍醐味です。
和音はクリアでなければいけない、のではなく、微妙に唸りのあるところに、妙味があります。
何でも正しく理論通りであれば良い、というものではありません。
人間もそうであります。
品行方正よりも、多少崩れた所が・・・いやいや、止めておきましょう(笑)
最初この曲集は、LPレコードから入りました。
ミシェル・ヴェロフというピアニストさんのレコードでした。
それはそれは!素晴らしい演奏で、目にも止まらぬ電光石火!の早業で、この曲をたちまち弾き終わってしまうため、
私は、この曲の魅力が、何が何だか判らないでいました。
それで、安川和寿子先生校訂による、この楽譜を買い求めて、とつとつと弾いてみたところ、前述のように
和音の美しさに惚れ惚れとしたのでありました。
10本の手の指を通して、和音の唸りが身体にまで共鳴して来るような、まさに身体で感じる音楽になったのでした。
音楽って何て素晴らしいんだろう!と感じるのは、自分の場合はいつでも、下手でも自分でやってみること、にあるのでした。
プレイヤーさんのファンになって、誰がいいの何がいいのとスノビッシュに楽しむことも素晴らしいですが
自分でやるくらい、天上天下唯我独尊の喜びはありません!
皆さんもぜひピアノや声楽、トライして頂きたいと思います。