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先日、仕事を終えてひとっ飛び、三浦三崎町まで車を飛ばし、天体写真の撮影に行ってきました。
当日は寒気が南下したばかりで寒く、また風が強く、7~8m~10mくらいの風速はあったでしょう。
現地に6時過ぎに到着し、機材を設営。
なんだかんだ失敗やら何やらあって、ようやく8時に本シャッターを切り、それから3時間も露光して撮影したのがこの馬頭星雲。
馬の頭みたいに見えるので、馬頭星雲といいます。
オリオン座のベルトに当る横真一文字に3つ並ぶ星の一番左側の星周辺に、こんな世界が広がっているのです。
このように模様に見えるのは、星間ガスが拡がっているため、光が通り難い所は黒く、模様になってみえるのです。
ピカリと大きく輝く星がオリオンの3つ星の一番左側の星で、その隣に燃えるように拡がっているのが、文字通り、燃える木星雲と呼ばれています。
3時間も露光するといっても3時間シャッターを開きっぱなしなのではなく、一回20分の露光にしてそれを9回繰り返すわけです。
シャッターのリモコンがありまして、セッティングしておけば、自動的に20分経つと一旦シャッターが切れ、少し間を置いてから再びシャッターを開いてくれます。
勿論、星が点に写るためには、星の運行に即応した架台の動きが必要なわけで、モーターとコンピュータが連動した架台(これを赤道儀と言います)に望遠鏡を載せて、撮影します。
この時の望遠鏡は、口径が20センチの反射望遠鏡でした。
反射望遠鏡と言うのは、20センチの鏡に反射した星像を接眼レンズで拡大して見る形式の望遠鏡の形式です。
月や惑星と違って、遠くの恒星や星雲は、レンズで拡大しても拡大出来ず、むしろ光量が必要なので、このような反射式望遠鏡が適しているのです。
撮影の際には接眼レンズは使わずに、直接カメラを繋げます。
カメラはデジタルの一眼レンズカメラのレンズを外して望遠鏡の接眼部に接続します。
このように星間物質が赤く見えるのは、実際に目で見て赤いのではなく、赤外線の赤さを、カメラが拾って赤く見せてくれています。
そのため、普通のカメラに付いている赤外線カットフィルターを、わざと外すのです。
そうしないと、このように赤く写りません。
通常のカメラには、なぜ赤外カットフィルターが付いているか?と言いますと、人間の目で見るように写さなければならないからです。
要するに天体撮影用のカメラは、アブノーマルなものなのです。
大体この趣味自体アブノーマルかもしれませんが(笑)