・・・あなたの心に身をゆだねましょう
疲れた翼を休めて
波と空間の
永遠のリズムに揺すられる
海の上の鳥のように・・・・
フォーレ、晩年の「閉じられた庭」の4曲目です。
フォーレはこの作品の前に「イブの歌」を完成させ、この後にバリトン歌手パンゼラのために「幻想の水平線」を書いて筆を絶ちました。
どうでしょう、海の青さとカモメの白。爽やかな潮の匂いが香って、心からリラックスします。
フォーレ晩年の歌曲を聴いていると、どうも涙が出て来ます。
それは音楽に悲しくなるからではなく、ほんものの芸術作品だけが持つ「哀しさ」に打たれるからでしょう。
youtubeで偶々発見したこのフランスのドラマティク・ソプラノの歌手さん。
やはり日本人に比べるとRの発音が際立ちますね。舌先の柔軟さなのでしょうか。
また、母音もEの母音が美しい。
良く聴いて頂くと判りますが、E-iとかE-aという具合に、ほんのほんの少しだけ、二重母音化した
発音しているわけです。
これが、Eの母音を鋭くしないで響きを美しくする、一つの秘訣だと思います。
先日、シューマンの音楽に嫉妬・・・と書きましたが、どうやらフランスにはフォーレの歌曲があるから、シューマンに嫉妬しないで済みそうです(笑)