久しぶりに私がコンサートで歌います。
興味のある方はぜひ聴きに来てください。

今回はプーランクの「月並みなこと」という5曲対の歌曲集を歌います。
ぜんぶで12分くらいでしょうか。
アポリネールの詩をプーランクが選んで作曲したものです。
「月並みなこと」というタイトルは、アポリネールの平易な詩にシャンソンやジャズといった
大衆的な雰囲気を持つ音楽をさりげなく付けた、というところに意味があるのだと思っています。
シャンソンといっても、当時の現代シャンソンもあれば、フォルクローレ的な雰囲気もあります。
アポリネールの詩は日常を歌いつつ、微妙な社会への皮肉をほんの少し込めているところが
アポリネールらしさでしょうか。彼の生い立ちや生き方がその作品に表れているのです。
プーランクは多分、アポリネールのパリ生活への想いに共感する面が大きかったのだと思います。
例えば生粋のパリ出身者だったら気付かないようなパリへの憧れや想いに共感したり発見したことが多々あったのではないでしょうか。
私自身も20代後半のほんの足かけ2年のパリ滞在が(であればこそ)両者の作品への
共感になって、今に至っています。
先日も久しぶりにゆえあって電話でフランス語を使うことがありましたが、若いころの情熱が
よみがえり、目頭が熱くなりました。
あの頃自分が抱いていた夢、そして生涯かけて目指した声楽家としてのミッションを
改めて思い出すことが出来ました。