これはドビュッシー最晩年のピアノ曲集。「12の練習曲」から「6度のため」という曲です。
右手がほぼ全部6度の和音形でメロディーを奏でるように書かれています。
初めて聞いた時、6度の響きというものがかくも高貴な香りと味わいを持つものなのか!と感嘆したものです。
久しぶりに聞いてみて、なるほどこれはノクターンなのだ、と感じ、かつて撮影した丸子橋の夜景にかぶせてみました。
何と言うか・・・微熱のある底なしの孤独感と、そんな中で見る夢心地、何とは敢えて書きませんが、心地よさが感じられますね。不思議な魅力に満ちた曲です。
こういう、曖昧な味わいでありながら、どこかクールな快感をもたしてくれるところもフランスらしい味わいだと感じるのです。