ドビュッシーのピアノ曲で好きなものは?と問われて5本の指に入れたいのが、この2台ピアノのための「白と黒で」の第一楽章。
「熱狂的に」というような副題が付いています。
カンカン踊りのキャバレーのちょっと下衆な雰囲気を、抽象的な音の構築に置き換え、高貴でファンタジー溢れる雰囲気を作っている所が気に入っている点。
というのは、私のまったく勝手な解釈です。音楽って自由でいいですよ(笑)
もしかしたら全然関係ないかもしれないのに、どうしてもそんな気がする、ということが多々あります。
もう少し言えば・・・彼が経験したパリの大衆世界、そこにこそ誇るべき輝かしいフランス文化の真髄が在る、と確信した彼の強い意志を感じるのです。江戸文学に影響を受けた永井荷風みたいなものかな?
それは、ドイツに対する抜きがたい反感と嫌悪が根拠になっているのではないか?と思います。
どことなく不穏な空気を感じさせる音がありますが、第一次世界大戦が始まった直後に強い創作意欲を以て作曲された、と解説にある通りなのでしょう。特に第二楽章、第三楽章を聴けば、そのことが良くわかるような音楽になっています。
まあ、そんな小理屈はさておき、音楽は自由でいいな~としみじみ思う師走の夜でした。