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この写真、お気に入りです。前にも出しことがあったかもしれない。
30年前になってしまったパリ留学時代に撮った写真。
滞在中、パリ北端にあるクリニャンクールの蚤の市で衝動買いしたカメラで撮ったものです。
この写真を撮った時は、夕方遅くでかなり暗かったのですが、ポン・ヌフの橋げたの上にカメラを置いて、スローシャッターを切ることが出来たせいか、現像から上がったプリントを見て、
右サイドのコンシエルジュリーの暗部の描写が微妙に良く浮き出て、まるで亡霊が撮れたか!と思うほど驚きました。
久しぶりに見るパリの景色は、本当に素晴らしいですね。
個人的な趣味ですが、こんな暗い景色の中に古びた建物が写るところに、パリの魅力を感じています。
プーランクの「モンパルナス」などピッタリだなと思います。
モンパルナスの面白い録音を見つけたので、ご紹介します。
オリジナルははピアノ伴奏であるのですが、これは室内楽に編曲してあります。
キーもオリジナルより高いですね・・・でも、なかなか良い味を出しています。
他にナタリー・シュトゥッツマンの録画もありましたが、演奏が立派過ぎると思いました。
こういう歌曲の味わいというのは、立派さよりも、少しみすぼらしさがある方が、チャーミングなのです。
フランス歌曲の味わいには、チャーミングさが大切と思っています。
グレートよりもチャーミング!

この時使ったカメラはライカの3Aという古い物で、1937年くらいの製造のものです。
レンズも同じ時期のもので、ズマールと云う名前です。
留学時代に、分不相応な値段を出して、クリニャンクールの蚤の市で衝動買いしました(笑)
レンズとレンズの隙間に気泡が入ってしまっているため、ハレーションといって明るい所を撮影するともや~っとした描写です。
良く云えば、ソフトフォーカスのかかったロマンティックな描写で、嫌が上でも時代を感じさせられたものでした。
これが、暗い所を撮ると、突然描写力が上がり、何とも言えない雰囲気を醸し出すレンズでした。
日本でも一時期、このズマールのレンズは知る人ぞ知る流行になったと思います。
今回ブログを書いていて気付いたのは、自分はつくづく死んでしまった過去の人たちの魂に興味がある、ということです。
クラシック音楽をやっている、ということが関係あるのかもしれません。
過去の人たちの考え、気持ち、そんなものを共有する、出来る喜びでしょうか。
そういえば、子供の頃から時代劇が好きだったな~(笑)