昨日もテレビで寅さんを見ちゃったんだけど、古い映画を見る楽しみって、ぼくらには昔を思い出すいいきっかけになるんだね。
いい例が電話。
今なら携帯があるけど、たった20年前にはなかったわけですよ。ぼくが30になったころだ。
で、寅さん。
中井貴一演ずる地方出身のぼんぼんが、東京に写真修行に出る。
そこに杉田かおる演ずる田舎で恋人だった彼女が、単身上京する。
渋谷のハチ公前で待ち合わせているのだが、待てど暮らせど彼は来ない。
それで公衆電話で、彼の修行する写真スタジオに電話する。
彼は出てきて、「ごめんごめん、、」と謝って、柴又の寅さんの家に行って待っててくれ、と言う。
たったこれだけのシーンなのだけど、今から考えれば、携帯があれば、彼女が渋谷に付く前には彼女に電話して、ことはそれで済むわけ。
あーそれなのに、それなのに。
この時代はそれが出来なかったのです。
今なら携帯でも電話じゃなくて、メールだ。
かばんの中でマナーモードがぶーぶー言えば、直ぐに着信が分かる。
あ、彼だわ!とか。彼女だ!そして二人は携帯マナーモードの音で、胸が高鳴るのでした。笑
我慢、せつない、想像、って言葉が陳腐だけど浮かんできます。
いやおうなく我慢していた時代。
でも、我慢せざるを得なかったから想像力も発達した気がする。
ちっぽけなことだけど、大きかったと思いません?
じゃあ東海道を歩いて旅していた時代はどうなるんだろう!?