jyumoku.jpg
昨晩のレッスン、林光のフルートとの1連の歌曲。
この作品は、とても詩情を感じさせる作品です。
それは子供の純粋な姿と素朴な疑問が見せる、鋭い詩情です。
子供におもねった甘ったるい音楽だと、この詩情は描けなかったでしょう。
今でもこのような現代音楽の音で歌曲を作っている作曲家はいるのでしょうか?
林先生の歌曲を聴くと、60年代~70年代にかけての、日本の現代音楽の隆盛を懐かしく思い起こします。
私がその頃、現代音楽や現代芸術に詳しかったわけでも何でもないのですが、時代の空気からそんなことを感じ取ったものでした。
それは現代音楽に限らずで「芸術」と呼ばれるものの存在価値が、まだ信じられていた時代だったと思います。
絶対とは思っていないが、素晴らしい芸術、まだ人々の知らないものがある、作れる、出来るであろう・・と考えていたし、信じられていたと思います。
また、あるいは古いものを壊して、新しいものを作り出す気概が世の中には充分に満ちていたと思います。
今だってそういうものはあるはずだし、今も育っている、と信じていますが、何かそれが見えてこない気がします。
携帯端末で、~も出来ますよ、音楽も聴けますよ、DL出来ますよとか、テレビの前でゲーム機器を持って運動している風景を見ると、何だかな~・・と思います。
面白いだろうとは思いますが、自分にとっては夢が感じられないです。
大人のおもちゃ?ですから、むきになって言うようなものではないと思っていますが。
自分にとっての夢というか夢想するものは、音というものが、環境と結びついた状態で、人の心に心地よく感じさせる、そういう音を作ること、あるいはそういう音がある環境に自分が住むことです。
ちっぽけな端末に楽しみを見出すより、海の側に家を買って住めば、あの海の音が毎日聞けるし、あの見事な波のぶきが立てる芸術を見ることも出来るでしょう。
夢は大きく持ちたいものですね。
虎落笛(もがり笛)というものを知ってますか?
冬になると風が強く吹けば、例えば窓のサッシの隙間を風が通るとぴ~っと音がする、あれのことです。
昔は垣根に使った竹の切り口で音がしたりして、そういうのをもがり笛といって、俳句の季語になどしたようです。
詳しくはここに載っていますので、ご覧下さい。
もがり笛について
まあ、これは私個人の変態趣味(笑)ですから、どうでも良いですが、一般人の方々には、ぜひとも楽器をいじったり歌を歌ったりして、素朴に、しかし贅沢な時間を過ごして頂きたいと思います。
テレビの前で運動するより良いと思います。