私は男性なので、女性のステージ衣装をあれこれ言うと、各方面からブーイングの嵐かもしれません(笑)
しかし、この一連のドイツの女性歌手のステージ衣装を見て思わず「素敵だ」と嘆息しました。
19世紀あるいはもっと古くからのヨーロッパの伝統的な美が、ここには存在していると感じられたのです。
正にクラシック音楽のステージパフォーマンスではないでしょうか?
歌曲演奏というのは、本当にシンプルで、ピアノと歌手とだけであとはステージの背景だけです。
ここに色を添えるものは何か?音楽が表現しているものは何か?
良く考えて、衣装を決めないと、せっかくの良い音楽も伝わらないのではないでしょうか?
ただ華やかなもの、というだけではだめだと思います。
クラシック音楽には、やはり気品とか優雅さというような要素を大切にすべきと、これらの動画を見て思いました。
多分皆さんは、これはドイツ人という存在と歌の出来が違う・・と思われたかもしれません。
それもそうですが、日本にも素晴らしい美的伝統があるのです。
その美の秘密はどこにあるか?
過去の着物の世界が持つ伝統美の中にヒントがあると思います。
それも、振袖的な美ではなく、留袖的な世界です。
Wikipediaを読んでください・・「既婚女性が着用する最も格の高い礼装である。着物の格においては第一礼装になり、西洋のイヴニングドレスに相当するものである。ただしイブニングドレスのように時間の制約はなく、昼夜問わず着用できるものである。」
Wikipediaを読んで、非常に面白いと思ったのは、本来留袖は振袖のリサイクルであったのだが、明治になって西洋のブラックフォーマルの伝統を真似て、地色を黒にしたのだそうです。どうです?面白いじゃあないですか!
それにしても、ドイツ音楽の侵しがたい気品というのでしょうか。抗いがたい美しさへに嘆息するばかりです・・・
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この方のメッザヴォーチェの歌声を聴いて、いまさらですが、シュトラウスの歌曲作品を見直しました・・・演奏者の技量の高さというものの価値が良くわかります。
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ステージ衣装の基本は黒ではないか?と思わせるシックな装いではないでしょうか。
最後に、イゾルデのアリア。素晴らしいです。聴き終わると虚脱状態になる美しさですね。ワーグナーの悠久の美への希求がこの作品に象徴されています。
このオーケストラのサウンドを聴くと、私の大好きなあの広い星々の輝く夜空を思います。
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