以前も、取り上げた記憶があります。アメリカの歌手であるドーン・アップショーさんが歌った動画です。
ちなみに彼女はソプラノとしてキャリアを積んでいます。
歌曲からオペラまで、そしてバロックからモダンまで幅広いレパートリーをお持ちのようです。

このドビュッシー作による「ビリティスの3つの唄」はメゾソプラノが歌うものという先入観念を持つ方がいるようですが、それは大きな誤解です。
まずこの作品の初演は、ソプラノのブランシュ・マロという人で、ドビュッシーが伴奏したそうです。

そして、この作品の音域はソプラノでも歌える音域です。
ソプラノが歌うには音域が低いという考え方は、ソプラノは高く輝く明るい声を発揮する作品を歌う「べき」という19世紀のオペラ作品重視の
声域、声質重視の偏った考え方です。

歌えるならソプラノでもメゾでもアルトでも誰でも良いということです。
もっといえばPopsの歌手が歌っても何も悪くない。

大事な事は「歌いたいものを歌いたい人が歌う」という、実に当たり前のことでしょう。
既成概念に縛られてやるようなことではないです。
特にドビュッシーの時代以降の歌曲作品はそうです。

語弊を承知で敢えて言えば、古典的なソプラノにこだわるならば、このような作品を取り上げる必要はないです。
頼まれたら断れば良い。

もしクラシック♪の演奏が、伝統という概念に依るものならば、伝統が固定化されていないものは、自分たちが作る!
くらいの意気込みで演奏をして行けばよいのです。

そろそろ声楽というジャンルにおける既成概念を打ち破って活動して行きませんか?