からしまさん
アーンの"Infidelite"プーランク"Priez pour paix"
デュパルク"Phidyle"
アーンの"Infidelite"最高だった！
落着き、音楽的な集中力、人に音楽を聴かせる美点が表現されていた。プーランクは、それに比べると、出だしが良く分からない。
声が中途半端な感じに聞えてしまったのが惜しい。
後半のフォルテは良く出ていた。
最後の"Phidyle"は、出だしがリラックスしてきれいだったが、フレーズがややルーズで、あと一歩の伸びを確実にしてほしかった。
中間部に何度か出てくる"Repose"は、今までの中で一番上手く処理出来ていた。良く勉強したのが、わかった。ただ、全体的な構成感がもう一歩で、3分構成なのは分かるのだけど、それがどうして1曲につながった作品なのか？という揺るぎのないどっしりしたつながりが欠けていたのが惜しい。
とはいえ、これは難しいこと。これから何度も機会があるから、リベンジしてほしい。
声だけど、まだ課題は残る。一つは声の響きが鼻にかかる傾向。喉も開いて来ているし、胸にも響きがあって大分良いのだが、やや気になる。それから、これからの課題として、せっかくの歌、表現力、音楽性を外に表現できるようになってほしい。彼なりの集中力は評価に値するのだが、それを、外に向っても表現できるように。それは、たとえば、目線を真っ直ぐ前を見据える事。それだけで、彼の心にある、風景が見えてくる。というようなステージングの面。これは大切だし、大きい。
ともあれ、安心して聴ける良い演奏だった。オメデトウ！