アトリエムジカC2003年11月29日 |
かさまつさん 「落葉松」とフィガロの結婚からケルビーノの"Voi che s'apete" 彼女の場合、こちらに来た時には声がほとんど出来上がっていたので声に関しては、言う事はない。 美しい声である。メゾ傾向の声で、深みと伸びやかさが素晴らしい。 ただ、声はまだまだ伸びると思う。 上がっている、と本人の弁だが、そう見えない。 だが、上がっていたのだろう。声の伸びがもう一歩だったのは、そのせいかもしれない。 スピード狂という自己申告 ! ? だったが、案に相違して、実に落ち着いたある意味でリスクを背負わない、演奏であった。 「落葉松」は、出だし、やはりブレスが気になった。ブレスがなければ言葉の意味がもっと通ってくる。高音は良く伸びていた。 また、ケルビーノのアリアも、レッスン時と同じく、テンポがややゆったりしていた。これでも充分に美しいが、もう少し、曲の表現として、先に先に行こうとする気持ちの揺れとか、焦りみたいなものが、テンポ感に表現されていれば、もっと素晴らしかった。やや、落ち着き過ぎて、妙味に足りなかった。だが、声は安定して、美しく、今日の出演者中、随一であった。これからは、更に声量と、高音を伸ばしてほしい。高音はトライしないと、伸びないから、次回はぜひイタリア物のアリアに挑戦してみてほしい。ぜひ聴きたい、と思った。 遠いところを本当にお疲れ様、そしてオメデトウ! |